飛んだ先には何が見える
昔サックスをやっていました
サックスを吹く人達の団体に一時期いたことがあります。
昔というのは、私がソロに進んだこともありますが、引っ越して田舎に帰ったため通えなくなってしまいました。
環境の変化というやつですね。
サックス四重奏というのは
弦楽四重奏と同じく、サックス4本で曲を演奏するアンサンブルスタイルです。
サックスはソプラノからバリトンまでさまざまな音域に対応しているので、とても豊かな音楽をお届けできます。
ちなみに、ソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスの頭文字をとってSATBと呼びます。
アルトサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスだとAATBになります。
老人ホームでの演奏会を控えて
細々と活動していた我らが団体に、老人ホームから曲を聴かせてくれないかというお願いがありました。
本番を控えると、練習のテンションも上がります。やったね、頑張ろう!というわけで時間を合わせて練習が始まりました。
基本合奏は積み上げていくものですので、誰か1人だけ上手くても、音楽性の飛躍的な向上にはつながりません。
ところが、1人下手クソがいるといきなりクオリティはダダ下がりします。
基本アマチュアの大人は技量の差を受け入れながら調整していくものですが、本番というリミットが決まるとなかなか難しいものです。
そして、諍い事も発生する
・ものすごく上手いけど、時間にルーズな人
・下手だけど、ものすごく時間に真面目な人
との間で起こることが多いです。
私のいない所で、そういった揉め事がたまに起こるようになりました。
原因は遅刻で合奏が合わせられない、みんな待っているなか悪びれもせずにゆっくりと楽器のセッティングをする(たまに「うー、寒い。ピッチが合わない~」とボヤく)ことなど多々あります。
私も一応代表だったので、双方の主張を聞くとどっちの言うことも理解できるんですけど、正直どうでもいいようなことばかりだと思いました。
いいから、早く来るから練習するかどっちかにしろよといつも思っておりました。
そして迎えた本番当日
始まる30分前になってもテナーサックスの人が来ません。
電話をしても繋がりません。
これはやられたなと一発で思いました。
飛ばれた。
いわゆるドタキャンです。
喧嘩をしてた相手は無言でずっと黙っています。
何か言うと自分が責められることがよーくわかっているんでしょう。
責めていても仕方がないので一生懸命譜面の書き換えが始まります。
本番まであと30分。どうしよう。といっても吹いてイベントを成功させるのが役目なので、微調整が始まります。
イベントの担当者からは1人足りないようですが、と言われましたが昨日食べたサバでも悪かったんでしょう、問題ありません大丈夫ですということでとりあえず押し通しておきました。
イベントは終わったけど
あんまり記憶がないんですが、とりあえずイベントは無事終了したようです。
「3人での四重奏」は二度とやりたくないと思いました。
飛んだ原因を作った、もう1人の人は謝罪もせず、ずっと黙ったままでした。
それを機会に練習の密度がちょっと減っていったところを思い出します。
後日談
その後、町中で飛んだ当人とばったり会う機会がありました。
飛ばれたと分かってはいましたが、もしかしたら話に聞いていたDV気味の恋人に何かされたのではとちょっぴり心配していたのですが、本人は健康そうで反省の色も浮かんでないようでした。
とりあえず喧嘩した人と仲直りする気があるなら仲介して電話かけるよって言ったんですが、
「嫌です!私悪くないし、頭を下げるのは私じゃない」
と言ったので、話にならないと思いお元気でと言って別れました。
たまにこういうことをやらかすのに構ってほしい人だとは聞いていたんだけどね、やられたね。
まとめ
サックスアンサンブルは、立場の違う大人が4人も集まって、欠員の許されない1人1パートを担当し、何ヶ月も前から練習して本番に臨むというのは想像以上に大変なことです。
そして、何より楽しくて仕方がない。練習しているときから充実感が味わえます。
なので、もし弦楽でもサックスでも四重奏団がいたら演奏を聞いてあげてください。
それが何よりのご褒美なんです。
読んでくださってありがとうございました。