部屋に布を敷く仕事。
そろそろ本当のピアノが欲しい
ソトヤマの家族がピアノを習い、5年経った頃の事でした。
一番安い電子ピアノで練習していましたが、そろそろ本当のピアノが欲しいと思ってきた頃に楽器店のセールスマンが声をかけてきました。
「本当の生の音のするピアノはすごくいいですよー」と当たり前のことですが、
まあ、もっともだなぁと思い中古のスタンドピアノでも買うかと思って休みの日にセールスマンを家に招くことになりました。
既に店でいろんなメーカーの音の違いを確かめていたので、あとは湿気とか強度とか大丈夫かなぁと思いながら待っていた時のことでした。
セールスマンがやってきた
そして、当日。
「こんにちはお邪魔しまーす」とやってきたセールスマン。
挨拶をして部屋にあげたその瞬間。
いきなりセールスマンがカバンから巻物のような布を取り出して、パッと床に広げ出しました。
床に広がったじゅうたんには、直線と曲線の入り交じった独特な線が書かれていました。
そして一言、
「グランド置けますね、ここ」
置ける置けないの話じゃない
絨毯には、グランドピアノの色んな種類の輪郭の線が記載してありました。
おい、なんでグランドピアノの話になってるんだ。
人ん家に来て、布広げて、開口一番がそれか。
セールスってのは、こうやって始まるんだな、物凄いやり口だな。
「一言もグランドピアノの話してないんですけどね」
「大丈夫、入ります」
入る入らないじゃないのよ。
これ入れたら、グランドピアノの天板でご飯食べるようになっちゃうじゃない。
っていうか、なんでグランドピアノを入れる前提で話しているんだ。
「・・・なんていうか、すごいねー」
「何がでしょう?」
「アップライトピアノのガイドが入ったやつある?」
「四角い布ですよ」
バスマットみたいな布を敷かれました。
せっかくなので、家のことを話してグランドピアノを買う経済的余裕はウチには無い、アップライトピアノの商談だったら、真面目に聞くという話をしてお引き取り願いました。
グランドピアノに意識を向けさせる
なんでしょう、ピアノのセールスってのはああいう風にいっつも布を持ち歩いて、部屋に入ったらいきなりグランドピアノのガイドラインの入ったカーペットを広げるという強気なことをするんでしょうか。
だとしたら、家に上げてしまったソトヤマの判断ミスなのかと思われます。
結局、中古のアップライトピアノを買ったのでそこの店にはお世話になりましたが、ピアノのセールスというのはグランドピアノを強烈に推してくるということを知りました。
そもそも最初からグランドピアノ欲しいわーとは言わない訳で、いかにアップライトからグランドピアノにアップグレードさせるかということを強烈に営業をかけないと、
なかなかグランドピアノを選択肢にするということはないのかもしれません。
だからああいった強心臓な行動を取るのでしょう。
まとめ
以上ピアノの形をしたじゅうたんの話でした。
確かに家で広げるのが一番わかりやすいイメージ作りですね。びっくりしたけど。
ちなみにピアノはなんだかんだで万能な、表現豊かで大好きな楽器です。
もちろんアップライトピアノを買ってよかったと思っております。
読んでくださってありがとうございました。